火災現場で必要な技術!ベンチレーションについて解説します! 

消防士

こんにちはFP消防士です。

今回は、火災現場で必要となる技術の一つであるベンチレーションについて解説していきます。

ベンチレーションとは火災が発生した建物内の空気(煙)をコントロールするために行います。

『ベンチレーション=換気』と思ってください。

建物内の煙等を除去することで、屋内進入の活動がより効率的に実施できたり、FO(フラッシュオーバー)やBD(バックドラフト)の発生を抑制できたりと様々な効果があります。

この記事は

ベンチレーションはどのように行うのか?

ベンチレーションの種類。

このような事が知りたい人向けの内容となっています。

結論

ベンチレーションは火災現場に必要な技術です。

また、間違ったベンチレーションを行うと隊員を危険に晒してしまう可能性もあります。

ベンチレーションは消火や救助活動の向上、延焼防止に役立つ!

ベンチレーションの種類にはナチュラルベンチレーション、強制ベンチレーション、水流ベンチレーション、アンチベンチレーションがある。

ベンチレーションは火災現場において有効な戦術の一つで、大まかに4種類あります。

では、これらについて解説していきます。

ベンチレーションとは?

ベンチレーションとは簡単に言うと換気のことです。

火災が発生した建物内の可燃性ガスや煙を効率的に除去し、建物内での活動をより行いやすくするために行います。

ベンチレーションにはいくつかの手法があります。

ナチュラルベンチレーション、強制ベンチレーション、水流ベンチレーション、アンチベンチレーションのどの手法が今の火災状況に効率的な排煙できるのか?

タイミングはベストなのか?と現場で対応しなければなりません。

ベンチレーションを行うことで、火点や要救助者の発見しやすくなりますし、屋内進入した隊員の安全性も向上されます。

また、延焼防止の効果も得られます。

F0(フラッシュオーバー)やBD(バックドラフト)と言った火災現象の抑制も行えます。

ベンチレーションの注意点

ベンチレーションは火災現場において有効な戦術と言えますが、注意も必要です。

ベンチレーションを行う際には、吸気と排気を設定し建物内の煙等を屋外へ排出します。

建物のどの面が吸気か?排気か?活動する隊員には情報共有を必ずしなければなりません。

それはなぜか?

ベンチレーションを行うと排煙側開口部から火炎、可燃性ガス、煙等が吹き出します。

ベンチレーションを行っている事を活動隊員が知らなければ、排煙側で活動している隊員はとても危険です。

そのため、ベンチレーションを行う際には隊員間、部隊間情報共有は必ず必要です。

また、本当にベンチレーションが必要な状況なのか状況確認をする必要があります。

ベンチレーションを行うということは、新しい空気を火災室内に送り込むことになるので火災室内の状況を変化させることになります。

例えば、ファイヤートライアングルが空気の供給不足で崩れており、建物内の火炎の勢いが弱くなっていたとします。

このような状況でベンチレーションを行うと、新しい空気が供給されるのでファイヤートライアングルが形成され火炎の勢いは強くなっていきます。

もし、建物内に逃げ遅れがいたとしたらどうでしょうか??

様々な要因を考慮し、ベンチレーションが必要か判断する必要があります。

ベンチレーションの種類

ベンチレーションにはいくつかの手法があります。

それらについて解説していきます。

ナチュラルベンチレーション

ナチュラルベンチレーションとは温度差や気圧差等でベンチレーションを行います。

簡単に説明すると、吸気と排気の開口部を設定するだけで特に手を加えずにベンチレーションを行います。

ナチュラルベンチレーションには2パターンあります。

水平ベンチレーション

火災建物内の煙や可燃性ガス等をドアや窓等から排出する方法を言います。

この方法を使用するケースとしては、火炎が屋根裏に達していない場合、火災によって建物の強度が落ちていると考えられる場合等に有効です。

水平ベンチレーションを最大限に活用するポイントとしては、吸気側の開口部に空気の通り道を阻害しないようすることです。

また、ベンチレーションを行う際には全て言えることですが、排気側の開口部に放水を行うと効率的な排煙ができないので注意しましょう。

垂直ベンチレーション

垂直方向に火災建物内の煙や可燃性ガス等を屋根や天窓等から排出する方法を言います。

屋根にある開口部の開放するパターンや屋根を破壊し新たな開口部を作成することによって排煙を促します。

アメリカの消防士が屋根に登って破壊活動している動画を見たことないですか?

屋根に登って破壊活動している訳は、垂直ベンチレーションの排気口を作成していることがほとんどです。

日本では建物の構造上、このような活動は難しいですよね。

ですが、垂直ベンチレーションの方が排煙効率は水平ベンチレーションに比べて高いです。

排気口の開口部で上部方向に放水を行うことによりベンチレーションの効率も高めることと、火の粉等による飛び火の軽減もできます。

強制ベンチレーション

強制ベンチレーションとは送排風機等の資機材を利用して、ベンチレーションを行うことを言います。

PPV(Positive Pressure Ventilation)のことですね。

ナチュラルベンチレーションより早い効果が期待でき、資機材を使用するので排煙のコントロールも可能です。

陰圧式なら排気口に送排風機を設定し、陽圧式なら吸気口に送排風機を設定します。

陰圧式の場合は排気側に設定することになります。排煙には有毒ガス等が含まれているため送排風機を設定する際には注意が必要です。陽圧式の場合は送風が開口部を覆うように送排風機を設定します。

水流ベンチレーション

水流ベンチレーションとは、放水を利用してベンチレーションを行うことを言います。

放水の勢いと放水時に引き込まれる空気を利用して排煙を行います。

噴霧放水で行いますが、排気口の開口部の淵に放水が当たらないようにし、排気口の開口部の85%〜90%の範囲で放水するのが良いとされています。

排気口の開口部まで距離がある場合は噴霧放水の角度を狭め、排気口の開口部まで距離が近い場合は噴霧放水の角度を広めに行います。

アンチベンチレーション

アンチベンチレーションとは、開口部を閉じて空気の流入を遮断し火炎等の抑制を行う方法です。

ドアコントロールを行い、火炎等の抑制を行うスキルですね。

一度ドアを閉めた後、再びドアを開放する際にはFO(フラッシュオーバー)やBD(バックドラフト)に注意が必要です。

まとめ

今回は、ベンチレーションについてのお話でした。

火災現場では、様々なスキルが必要となりますが、ベンチレーションはその一つです。

しっかりとした知識やスキルがある上で使用しないと逆に隊員を危険に晒してしまう可能性があります。

まとめです。

本当にベンチレーションが必要な状況が判断する!

隊員間の共通認識を持つ!

日々是訓練!

スキルアップに努めましょう!!

以上です。

『FP消防士ブログ』運営者:FP消防士

高校卒業後、すぐに地方の消防本部に採用されたアラサー消防士。消防隊、救急隊、特別救助隊に配属経験があります。

消防関係や公務員目線の家計管理に関する情報を発信しています。

消防士
FP消防士をフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました