こんにちはFP消防士です。
救急現場で消防車も出動することがあります。
火事ではないのに救急車と消防車が出動している場面を街中で目にしたことはありませんか?
今回は、救急車と消防車が同時に出動するPA連携出動について解説していきます。
なぜ、救急現場なのに消防車が出動するの?
PA連携出動とは何?
このようなことが知りたい人向けの内容となっています。
結論
救急現場で、救急車だけではなく消防車も出動することがあり、これをPA連携出動と言います。
PA連携出動は消防隊が救急隊の活動補助を行う。
救急隊のみの活動が困難な場合や、人手が必要な場合にPA連携出動となります。
具体的にどのようなケースがPA連携出動に該当するのか解説していきます。
PA連携出動とは
PA連携出動とは救急現場において救急車と消防車が同時に出動し、連携して救急活動にあたることを言います。
ポンプ車はPumper、救急車はAmbulanceの頭文字を取りPA連携出動と言われ全国の消防本部で多く活用されています。
『救急車を呼んだら消防車も来た!』とびっくりすることもあると思いますが、円滑な現場活動をするために必要なことですので、消防車も来るケースもあるということを覚えて起きましょう。
PA連携が必要となるケース
PA連携とは救急車と消防車が同時に出動することを言いますが、PA連携が必要となるケースとはどのような場合かご存知ですか?
PA連携出動が必要となるケースを具体的にいくつかご紹介します。
搬送補助
救急車の待機位置、またはストレッチャーから救急現場まで距離がある場合に搬送補助として出動するケースがあります。
搬送距離が長距離であったり、傷病者の体格が大きく救急隊のみの搬送が厳しい場合に消防隊の応援をもらい活動を行います。
このようなケースの場合に通信指令課が判断し、救急車と消防車に出動指令をかけます。
現場の救急隊の判断により消防隊が要請される場合もあります。
危険排除
交通量が多い場所での救急要請があった場合に、現場到着時に警察が現場に到着していない場合があり交通整理ができていない状況も考えられます。
このような場合に二次災害を及ぼす可能性があり、安全な救急活動ができません。
警察が現場到着するまでの間の危険排除を目的として消防車が出動することもあります。
救急活動補助
多くの救急資器材の使用が必要な場合や高度な救命措置が必要な場合に活動補助として消防隊も出動します。
救急車には基本的に3名の隊員で構成されています。
1名は機関員と言い、運転手ですので現場まで緊急走行で向かい、救急車に傷病者を収容した後は医療機関まで緊急走行で向かいます。
なので、実際に救急処置を行える人数は2名になります。
この2名のうち1名は無線交信や病院連絡などを行わないといけません。
この3名で活動するのに限界がある場合や人手が欲しいときに消防隊が要請されます。
傷病者の症状が重くなる程、消防隊の力が必要となります。
救急車が対応するまでに時間を要する場合
管内の救急隊が別事案に対応しており、現場に近い救急車がいない場合に救急資器材を積載した消防車が現場に向かい救急車が到着するまでの間、対応する場合もあります。
消防車にも救急救命士が乗っている場合もあり、救急車が到着するまでの応急措置などを行います。
管内の救急車が全て出動しており、新たに救急要請があった場合に近隣の市町村と応援協定などを結んでいれば、隣の市町村から救急車の応援要請ができる場合もあります。
市民サービスの向上
このPA連携出動を活用することで、迅速な救急措置が行えます。
そのため、高度な救急措置、医療機関への搬送までの時間短縮、救命率のアップに繋がるため、市民サービスの向上となります。
我々は日々、救急活動を行っており、1日に何件と救急出動します。
ですが、救急車を要請された傷病者にとっては人生で1回きりの救急要請かもしれません。
この傷病者にとって不利益となることがないよう、このようなPA連携出動を活用し市民サービスの向上を目指しています。
まとめ
今回は、PA連携出動について解説しました。
消防車と救急車がセットで出動している場合は、救急の活動補助で出動している場合があります。
火災の場合はサイレンの他に警鐘が鳴らされていると思います。
警鐘とは消防車が出動の際に『カンカンカン』と鳴らしている音です。
サイレンの『ウーウーウー』のみであれば火災ではないので、PA連携出動であったり、救助出動となりますので、聞き分けやすいです。
まとめです。
救急要請でも事案によって消防車も出動する場合がある。
PA連携出動は、市民サービスの向上に繋がる。
消防車=火災のイメージが強いと思いますが、救急活動でも消防車が出動するケースがあると言うことを覚えておいてください。
以上です。
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