こんにちはFP消防士です。
今回は、ポンプ運用について解説していきます。
消防車の機関員になるには必須スキルですよね。
この記事は
ポンプ運用とは?
ポンプ運用に必要なスキルについて。
このような事が知りたい人向けの内容となっています。
結論
機関員として、ポンプ運用は必ず必要となります。
救急車等の専属機関員は除いてですが。
ポンプ運用とは消防車を活用して放水する要領。
並列2本吸管、直列2本吸管、タンク水を使用した揚水について!
機関員は圧力調整、他の車両との無線交信等しないといけません。
このことについて解説していきます。
ポンプ運用の要領
ポンプ運用は、消防車に搭載されているポンプを利用して放水、吸水するテクニックです。
今回は、ポンプ運用の要領についてお話していきます。
では、基本的な水を出す手順を解説していきます。
1 車両の停車
まずは、安全かつ現場活動に有効となる場所に部署します。
サイドブレーキ、ギアがパーキングに入っていることを確認しましょう。
歯止めをするタイミングは、「水」最優先で後からで!とか下車した時点で!とか、所属や上司に合わせてください。
個人的には下車したタイミングでしています。
理由としては、現場では坂道上に部署する可能性もあるので常に下車したタイミングでするように意識付けています。
2 ポンプの起動
ポンプレバーかPTOスイッチで起動します。
電磁クラッチ車両は、クラッチを踏み込まずにポンプを起動します。
3 吸管投入
吸管を水利に投入します。
吸管を簡単に一人で伸長する方法があるのをご存知ですか?
まず、吸管を固定している金具を外し吸管を取り出し、吸管を前に倒します。
すると吸管の先端側が上面に来るので、そのまま捻れを取りながら引きづらないように伸長します。
この方法であれば吸管を一人で伸長することができます。
個人的には控え綱と枕木は後から設定します。
水を早く出したいので、ここは後回しにしています。
揚水が完了すると吸管も沈むので設定した枕木の位置がズレることが多くあるので後から設定しています。
ズレることで枕木のバンドが外れたりするのも防げます。
4 真空ポンプ起動
真空ポンプを起動する前に吸口を全開にします。
そして、真空ポンプスイッチを押し、真空ポンプを起動させます。
水が揚水出来ているか基本的に連成計を見て確認します。
他にも配管図のパネル、吸管の重さ、冷却水バルブなど総合的に見て確認します。
これで、揚水できない場合はどこかのバルブが空いている、吸管が浮いているなどのトラブルが考えられますので揚水できない時のトラブルは全通り頭に入れておきましょう。
5 放水
放口を半分程度開き送水します。
ホース内に水を充填しておくことで「放水はじめ」の合図後すぐに放水できるようにするためです。
「放水はじめ」の合図があったらホースの本数や背圧を考慮し放水します。
水槽付きポンプ車(タンク車)
タンク車も基本的には同じ操作になります。
ですが、タンク水を使用するなら操作が異なります。
タンク水を使用して放水する方法を解説します。
上記の1、2までは同じ手順です。
1 吸水コックを全開
吸水コックを全開し、タンク水を使用できる状態にします。
2 放水
放水の手順は、先程と同じです。
タンク水切り替え方法
タンク水で放水しており、後着隊のポンプ車の水理部署が完了し、中継送水準備が完了した際の要領を解説します。
中継口を開放し、その後吸水コックを閉めます。
元ポンプから送水される圧力と放水する圧力の調整を行います。
タンク車の場合、放水圧より送水圧が大きければタンク水の補水を行いながら放水し、補水が完了してから元ポンプの圧力を下げてもらうよう無線交信したりしています。
まぁ、水が綺麗な場合ですが。
揚水方法
揚水方法について解説します。
今から説明する揚水方法は無圧水利を対象としてます。
3パターン紹介しますが、皆さんご存知ですか??
直列2本吸管
これは、高低差があり吸管1本では届かないような水利で活用されます。
単純に吸管に吸管を結合して2本分の長さを出して揚水する方法です。
並列2本吸管
これは、多くの水量が欲しい時に活用されます。
吸管を並列に水利に投入し、揚水する方法です。
現場状況的に水量が必要そうであれば、水利部署時にあらかじめ2本とも吸管を水利に投入しておくのが無難です。
後から並列2本吸管をする必要となった場合に揚水する方法が2つあります。
一旦、放水を止めて真空ポンプを入れ直す。
エゼクターバルブを使用して揚水する。
エゼクターバルブ
真空ポンプを入れ直すのはイメージつきやすいと思うので省略します。
では、エゼクターバルブについて解説します。
この方法は放水を止めることなく揚水できる事がメリットです。
無圧水利から吸水し、放水している状態だとします。
エゼクターバルブ全開
エゼクターバルブは吸口のコックを超える形で付いている細い管になります。
この細い管から吸管内の空気が放口側に放出されます。
連成計、圧力計を確認しながら揚水します。
慎重にしないと落水してしまいますので注意が必要です。
吸管を触ってみて重くなっていれば揚水がある程度できている状態です。
吸口開放
連成計、圧力計、吸管など確認を行い揚水できたと判断できれば吸口をゆっくり開放して完了です。
ちなみに、エゼクターバルブを使わずに吸口の調整で揚水することも可能です。
現場では使わないですが・・・。
タンク水を使用した揚水
これは、実際使うことがないので知らなくても良いとは思います。
この方法は簡単に言うと、タンク水を吸管に流しこみ揚水する方法です。
タンク水を使用して放水している状態だとします。
1 吸管投入し、吸口開放
吸口を開放することで、タンク水が吸管内に流れ込みます。
2 圧力調整しながら送水コックを徐々に開く
タンク送水コックを圧力調整しながら徐々に開放します。
圧力を確認して、開閉具合は調整してください。
イメージとしては、管の太い放口が増えたと考えてくだい。
3 揚水完了したら圧力調整しながら送水コックを閉める
筒先圧を考慮して圧力調整は注意しながら行いましょう。
4 吸水コックを閉めて自然水利に切り替える
これで、タンク水を使用しての揚水と水利の切り替えが完了です。
2、3を省略しても揚水できますが必要なタンク水量が多く、揚水までに必要な時間がかかるため送水コックを開放しています。
タンク水は200ℓ以下、時間も30秒以下で揚水完了できます。
多少のコツは必要になりますが・・・。
まとめ
今回はポンプ運用の要領をメインにお話しました。
実際は、要領も大事ですが摩擦損失や背圧なども考慮する必要があります。
まとめです。
ポンプ運用は繰り返し訓練する必要がある。
トラブル対応できるように多くのパターンを想定しておく。
機関員になる方は、車両のスペシャリストとなるよう訓練に励んでください。
以上です。
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