こんにちはFP消防士です。
今回は、機関員に必要なスキルやテクニックについてお話していきます。
この記事は
機関員のテクニックや小技はある?
機関員として事前にしておくことは?
このようなことが知りたい人向けの内容となっています。
結論
今回は機関員として事前に勉強しておいた方が良いものや必要なテクニックをお話していきます。
そもそも機関員とは何か??
機関員は消防車や救急車の運転手のことを言います。
サイレンを鳴らしながら緊急走行を行いますが、緊張感がとてもあります。
機関員になるために必要なこと、機関員として必要なことは以下のとおりです。
大型車両の機関員になるには大型免許の取得が必要。
管轄内の地理や水利を覚える。
消防ポンプの取り扱いをマスターする。
緊急自動車の特例を把握する。
機関員の小技(テクニック)を紹介。
この5つについて詳しく解説していきます。
1 大型免許の取得
消防車の種類によりますが、大型免許がないと運転できない消防車両もあります。
梯子車、高所放水車、救助工作車などの比較的大きな消防車両は大型免許がないと運転できないものが多いです。
救急車は普通免許で運転できます。
この、大型免許は公費で取得出来る消防本部もあります。
全額補助であったり半額補助であったり補助なしの消防本部もあります。
大型自動車は車幅、車高、車の長さと、どれも大きく運転の際には細心の注意が必要です。
また、内輪差やオーバーハングといったことに気をつけなければなりません。
2 地理や水利の把握
管内の地理や水利を覚えることも必要です。
火災、救急でも現場に最短ルートで着かなければなりません。
現場までの距離も重要ですが、道路幅や交通状況によりルート選定を行います。
例えばですが、距離的には近いがカーブも多く道路幅の狭い道路と距離は若干遠くなるが直線で道路幅の広い道路の2つのルートがあったとします。
距離が近い方のルートを選定するのか、それとも道路幅が広くスピードを出しやすいルートを選定するのか・・・。
ルート選定は最終的には上席の判断にはなりますが、ここは機関員の腕の見せ所です。
自分のルート選定に自信があれば、「このルートでいきましょう。」と積極的に進言してみましょう。
道路状況、時間帯、交通量などにより距離が遠くても現場に着くまでにかかる時間が短い場合がありますので、状況判断が必要になります。
車両にはナビ上に地図が表示はされていますが、道路の広さなどにより車両が進入ができない場合があります。
ある程度は、自分で地理調査を行い管内の道路事情を把握することが重要です。
ナビが機械的不具合で表示されなかった場合でも、現場に着けるようにしとかないといけません。
水利も同様です。
河川、湖、消火栓、防火水槽の場所を覚える必要があります。
火災の際に水は必要不可欠な仕事道具です。
防火水槽の容量であったり設置場所、消火栓の配管の太さ、他の消防ポンプ車の部署位置など考慮して機関員は火災の対応をしなければなりません。
水利を覚えることで有効な火災対応に繋がることは間違いありません。
3 消防ポンプ
火災の際には放水活動を行い消火を試みます。
消防ポンプの取り扱いができないと放水することはできません。
消火栓は有圧水利、防火水槽、河川などは無圧水利と言います。
有圧水利や無圧水利でも違いがあり、消防ポンプを取り扱いを行う場合に注意すべき点が異なるところもあります。
また、水が足りない場合の並列2本吸管や水利までの高低差があり吸管と水理まで距離がある場合の直列2本吸管などテクニックが必要なものもあるので機関員となる人は訓練は必須です。
放水圧力の調整なども行います。
筒先員が見える位置にいれば圧力調整も簡単に行えますが、消防車から火点まで距離がある場合は筒先員が見える位置にいない場合が多く、圧力調整も難しくなります。
伸ばしたホースの本数や高低差を把握し、その分の摩擦損失を考慮して放水圧力の調整を行います。
屋内進入時は特に気を遣う必要があり、水を止めることがないよう消防ポンプを取り扱わなければなりません。
このようなテクニックは機関員として必須スキルになります。
4 緊急自動車の特例とは
緊急自動車には特例が定められています。
救急車や消防車が赤信号をサイレンを鳴らしながら突っ切る場面を目にしたことがあるかと思います。
こういった特例は道路交通法で基準が定められています。
右側通行の特例、停止義務免除の特例、二重追い越しの特例など様々な特例が存在しますが、緊急自動車でも特例を受けない場合があります。
急ブレーキの禁止
歩道通行の禁止
左側追い越し禁止
車間距離の保持
徐行場所での徐行義務
割り込み運転の禁止
合図の義務
軌道敷地内での通行禁止
緊急自動車の最高速度の遵守
これらは緊急走行でも特例を受けないものとなります。
緊急走行時は、いつもの運転以上に細心の注意を払い安全な運転をしなければなりません。
機関員は緊急走行でどこまで許される行為なのかを把握しておく必要があります。
5 機関員の小技
実際に私が機関員として運転している際の注意点についてお話します。
緊急走行時に注意していることや意識的に行なっていることを紹介します。
合図は早めに!
右左折の合図は早めに行います。
自分が次にどのような動きをしたいか周りに知らせるためです。
緊急走行時は、自分も細心の注意を払いますが他のドライバーに緊急走行していることや進行方向を知らせスームズな走行ができるよう心がけます。
道路の段差
救急車の緊急走行時は、道路のちょっとした段差にも注意を払う必要があります。
救急車は防振ベッドになっていますが、どうしても縦揺れ横揺れと大きくなります。
傷病者の不利益にならないよう、機関員は管内の大きな段差などを把握して縦揺れ横揺れがないように気をつけて運転する必要があります。
段差の手前での減速やアクセルの調整を行い運転しています。
ルームミラーの確認
ルームミラーを確認しながら、後ろで傷病者の対応している隊員が何をしているか判断し、スピードの調整を行なっています。
隊員が立って処置や作業をしている時は、カーブはいつも以上に慎重にハンドルを切ったり、処置が落ち着き傷病者の状態的にもスピードが出せそうな時はアクセルを踏んだりと場面に合わせて運転しています。
エンジンブレーキの活用
エンジンブレーキを活用して減速を行う場面もあります。
下り道の緊急走行は速度が上がりやすいためエンジンブレーキとフットブレーキを活用して速度調整を行います。
病院到着前の声掛け
病院到着前に「後、5分で病着です。」の一言で病院内に収容するのがスムーズになります。
病院到着までに時間を要する場合は、「今、○○交差点です。」や「今、○○スーパー付近です。」とか要所で声掛けすることが重要です。
後ろの隊員がどの程度の時間で病院に着くか把握することができます。
まとめ
今回は、機関員についてお話しました。
緊急走行は集中力を切らすことなく運転しなければなりません。
気を使う部分も多いです。
緊急走行は、他のドライバーの動きの先を読みながら運転する必要がある。
運転するだけではなく救急車は特に振動などに気を使わなければならない。
機関員になる人の参考になれば幸いです。
以上です。
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