こんにちはFP消防士です。
今回は『火災』について解説していきます。
皆さんは、燃焼と火災の違いを言葉で説明できますか??
この記事は
火災って何?
火災が発生拡大するメカニズムにについて
このような内容が知りたい人向けの記事となっています。
結論
今回は火災について解説していきます。
火災の定義が存在する
燃焼の4要素(ファイヤートライアングル)
火災の成長により発生『FO』『BD』『FGI』
このことについて解説していきます。
火災の定義
日常生活に『火』はとても馴染み深いものですよね。
料理、線香、タバコと日常的に火を使う場面が多々あります。
ですが、火は便利なものですが使い方次第で、火事を引き起こす原因になります。
燃焼は主に可燃物と酸素供給源とが激しく化学反応を起こし、化学エネルギーが光や熱に変換される現象を言います。
燃焼は、『燃焼の4要素』が大きく関係しています。
燃焼の4要素については後から詳しく解説します。
このように燃焼については、科学的実験に基づき定義されていますが、火災については定義が分野により異なります。
火災の定義は
『火災とは、人の意図に反して発生し若しくは拡大し、または放火により発生して消火の必要がある燃焼現象であって、これを消火するために消火施設またはこれと同程度の効果のあるものの利用を必要とするもの、または人の意図に反して発生し若しくは拡大した爆発現象。』と定義されています。
つまり、火災とは何かと簡単に言うと
1 人の意図に反して発生、または放火により発生すること。
2 消火の必要がある燃焼現象であること。
3 消火施設が必要であること。
この3つの条件が含まれていたら火災です!と言うことになります。
爆発現象は、2と3の条件が揃わなくても火災に該当します。
初任科生の方はテストに出ると思うので今のうち覚えておいてください。
これは、消防庁が定めています。
一方、IOS(国際標準化機構)では
『時間的及び空間的に制御されず拡大する急激な燃焼』と定義されています。
それぞれの分野ごとに火災の定義がされていると言う事ですね。
燃焼の4要素(ファイヤートライアングル)
燃焼を維持するには、燃焼の4要素が必要となります。
この4要素のバランスによって火災性上は大きく変わります。
燃焼の4要素とは可燃物、酸素供給源、着火源、連鎖反応の4つで構成されています。
火が存在するために基本的な3つの要素である、可燃物、酸素供給源、着火源が揃うことで火が生まれ、連鎖反応が加わることで継続的に燃焼が生じます。
この4要素のうち1つでも欠けると燃焼は継続しません。
つまり、この4要素のうち1つでも取り除くことができれば、燃焼の4要素のバランスが崩れ消火できます。
冷却消火、窒息消火、抑制消火など様々な消火方法があり、これらを活用して火を消します。
ここで、少し『熱』についてお話します。
熱は物質によって伝わるスピードが変化し、物質が厚ければ伝わりにくく、面積が大きければ伝わりやすくなり、熱は高温度の方から低温度の方へと伝わるとういう法則があります。
また、放出される熱エネルギーをHeat Release Rate(HRR:ヒートリリースレート)、熱エネルギーを受ける側をHeat Flux(HF:ヒートフラックス)と呼ばれています。
熱の伝わり方として、伝導、対流、輻射があり、これによって建物内に熱が伝わり火災が拡大する要因のひとつとなります。
熱の伝わり方などを見て、放水すべき部分が熱を放出している側か、受けてる側かを判断します。
火災の成長
火災は初期段階から終息段階まで状況が変化します。
そのため、火災現場では全く同じ火災は無く、火災は生き物と言われたりします。
初期段階では、火災の成長が始まり上昇気流を発生させ上層部が高温になります。
成長段階では、中性帯が形成され天井付近は高温になり床付近は比較的低温の状態になります。これをサーマルレイヤリングと言います。
完成段階では、可燃性ガスの発生が拡大し、燃焼が促進されます。この可燃性ガスのみが燃焼するロールオーバーと言う現象が見られることもあります。またFO(フラッシュオーバー)の発生や屋根の燃え抜けが起こり最盛期を迎えます。
終息段階では、可燃物が燃え尽き火災の勢いは弱まり、終息に至ります。
FO(フラッシュオーバー)
FO(フラッシュオーバー)は、火災の最盛期によく見られる現象です。
可燃物が燃焼すると可燃性ガスが発生します。燃焼が継続することにより発生した可燃性ガスはさらに多くなっていきます。
その多量の可燃性ガスが熱せられ、燃焼する温度になると可燃性ガスに着火し、火災室内が一気に火炎に包まれます。
この現象をFO(フラッシュオーバー)と言います。
BD(バックドラフト)
バックドラフトは、極めて密閉性の高い火災室内で発生します。
この現象名は、映画のタイトルにもなっていますね。
密閉性の高い室内で、燃焼により室内の酸素が消費され火災室内が酸欠状態になります。
その状態で、ドア開放や窓の開放により一気に酸素が流入することによって、爆発的な燃焼が起こることをBD(バックドラフト)と言います。
FGI(ファイヤー ガス イグニッション)
FO(フラッシュオーバー)の発生を引き起こすのは熱、BD(バックドラフト)の発生を引き起こすのは酸素でした。
これらの現象の発生源は明確で『熱』と『酸素』により発生します。
FO(フラッシュオーバー)やBD(バックドラフト)のように発生源が明確になっているもの以外を総称してFGI(ファイヤー ガス イグニッション)と呼ばれています。
どの現象もガス(煙)に点火し、着火する現象です。
つまり、煙は急速で大規模な燃焼を伴う危険性があると言うことを念頭に置いて活動しなければなりません。
まとめ
今回は、『火災』について少し詳しく解説しました。
熟練消防士の方からすれば知ってて当然と思われるかもですが、少しでも新人消防士の方のお役に立てればいいのかなと思ってます。
煙は急速かつ大規模な燃焼を伴う危険性がある
このことを念頭において、安全管理を徹底し現場活動を行うことが大切です。
以上です。
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