こんにちはFP消防士です。
今回は、ソーラーパネルから出火した場合の対応について解説していきます。
この記事は
ソーラーパネルは水で消火できないの?
放水して感電はしないの?
このような事が知りたい人向けの記事となっています。
結論
太陽光発電所から出火した場合の消防隊の活動について解説していきます。
SNSなどを見ていると誤情報もありますので、正しい認識を持って消火をする必要があります。
太陽光発電所火災は水で消火可能
感電するリスクもある
適した方法や危険性を認識した上で消火する必要があります。
太陽光発電所について
東日本大震災における原子力発電所の事故がきっかけに改めて再生可能エネルギーが注目されてきました。
太陽光発電所は、一般住宅やメガソーラー発電所と設置が増加傾向にあります。
太陽光発電設備自体は、発電した電力を貯める事ができないため蓄電池設備と併用することで効率的な使用ができます。
また、蓄電池設備にはリチウムイオン電池の利用が多くあり電気自動車にも使用されています。
この太陽光発電所から出火した際の燃焼性上や消火活動要領、感電のリスクの把握が、他の火災の対応に比べて知識も少なく、経験も乏しいのが現状です。
最近、太陽光発電所の火災による事故も発生しています。
令和6年3月27日に鹿児島県でメガソーラー発電所で火災があり、消防隊員4名が負傷したという事故がありました。
太陽光発電所から出火したときの活動プランは確率されていますか?
消防庁から『太陽光発電システムを設置した一般住宅の火災における消防活動上の留意点等について』という資料もあります。
太陽光発電における消火方法を知っておく必要があります。
ただ、消火が困難であることには変わりはありません。
消火方法
太陽光発電所火災は大規模なものになる可能性が非常に高いです。
太陽光発電所のソーラーパネルや蓄電池設備から出火した場合、消火方法としては基本的には大量の水で消火することになります。
実際にこのような火災があった場合には、水槽付きポンプ車(タンク車)やポンプ車での活動がメインになると考えられますが、水で消火する際には特に注意が必要です。
太陽光発電は、光を電気に変換して発電しており外部から発電を遮断できないため、鎮火するまで感電のリスクが伴います。そのため、夜間であっても火災が発生すると炎の光で発電が行われます。
発電が行われた状態のときに、棒状で放水すると感電事故に繋がる可能性があります。
これは、建物も同様で金属など電気を通しやすい箇所に触れることで感電することもあります。
先程、お話しましたが太陽光発電にリチウムイオン電池が利用されています。
リチウムイオン電池に水をかけるとどうなるかご存知ですか?
リチウムイオン電池が水と反応し、さらに発熱して火災を広げる可能性があります。
このことから、消火するには大量の水が必要となり消火は困難なものになります。
ですが、ソーラーパネルにより水が遮られ有効な消火できず火災が拡大しやすいです。
また、感電のリスクもあるため噴霧で放水しなければなりません。
話が少し逸れますが欧州では、リチウムイオン電池を搭載している電気自動車火災の対応として水を貯めたコンテナやプールに車ごと沈めて冷却し、消火する方法が採用されています。
火災対応時の留意点
太陽光発電所の消火が困難で危険なことが分かったと思います。
ここで、太陽光発電所火災の活動時の留意点をまとめます。
感電リスク
感電事故を防ぐための留意点は、以下のとおりです。
棒状で放水しない。
太陽光発電所の施設にむやみに触れない。
濡れた手袋でソーラーパネルや蓄電池に触らない。
残火後も容易に触れたり、破壊しない。
対策としては、噴霧で放水を行う、耐電手袋を着装する、可能であれば接続箱やパワーコンディショナ部分の開閉器を切るなどがあります。
その他のリスク
爆発等によりソーラーパネルのガラスが飛散する恐れがある。
ソーラーパネルが屋根から落下してくる恐れがある。
このような危険性もあるため的確な距離を保ち放水する必要があります。
まとめ
今回はソーラーパネルから出火した際の活動要領や留意点について解説しました。
少しマニアックな記事となりましたが、近年ソーラーパネルの設置が増加しています。
このことから、ソーラーパネルが設置された建物からの火災といったケースが増加することも考えられます。
消火に必要な知識、技術をしっかり身につけ事故にない活動ができるようにしましょう。
まとめです。
感電のリスクを考慮して活動する。
消火が困難であることを認識し、消火に有効な放水をする。
鹿児島県で実際に消火活動中の事故もありました。
現場活動の安全管理を徹底し、事故を起こさないようにしましょう。
以上です。
コメント